
最近では、ニュースや新聞でも「クラウド」という言葉を目にすることが多くなりました。しかし、「クラウドって何?」と聞かれた時に、きちんと答えられる人は少ないのではないでしょうか。この記事では、クラウドとは何か、クラウドを使うことでどのように業務が変わるのかを説明しております。
- クラウドとは
- クラウドサービスの種類
- クラウドのメリットとデメリット
- クラウド環境の導入
クラウドとは
クラウドというのは、「クラウドコンピューティング」という言葉を略したものです。クラウドは、英語で雲という意味があります。もともとネットワーク図を書く時に、ネットワークを雲の図で表すことが多く、それが由来になったと言われています。
クラウドの特徴は、ユーザーがハードウェアやソフトウェアを持たなくても、インターネット上でメールサービスやファイルサービスなどのサービスを使えることです。例えば、Google が提供している Gmail を想像してみてください。Gmail は、Gmail の web ページにアクセスすることで、メールをブラウザ内から送受信することができます。そのため、インターネットに接続できる環境さえあれば、どんな場所でもどんな端末からでも、メールを利用することができます。
一方、従来のクラウドを使わない方法では、PC にメールソフトをインストールしてメールを使います。その PC のメールソフトに対して設定をし、他の PC でもメールを使うためには、同じようにメールソフトのインストールや設定が必要となります。
クラウドでは、インターネット上のどこかにあるサーバーから、メールなどのサービスをインターネット越しに利用することができます。そのため、自社でサーバーを用意したり、用意したサーバーの管理をしたりする必要がなくなります。サービスを利用するにあたっての導入コストが非常に抑えられるので、利用してみて合わなければ別のサービスを利用するなど、試運用する際のハードルが低くなります。そのため、自分たちの業務にあったサービスを見つけやすいです。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスには、そのサービスの形態によって 3 つの種類があります。
IaaS (Infrastructure as a Service)
「サービスとしてのインフラ」と訳され、読み方は「アイアース」「イァース」です。
サーバーやデータストレージ、ネットワークなどのインフラをインターネット上で利用できるサービスです。サーバーの構成や OS の詳細な設定などもユーザーが行うことができるため、非常に柔軟性のある構成をとることができます。物理的なサーバーやネットワーク、ストレージに関しては、クラウドサービスの事業者が管理します。そのため、停電や災害といった障害から、サーバーなどの機器を守ることができるようになります。また、サービスとしてインフラを利用できるため、一時的なサーバーの強化などにも対応することができます。
PaaS (Platform as a Service)
「プラットフォームとしてのインフラ」と訳され、読み方は「パース」です。
開発環境をインターネット上で利用するサービスとなります。IaaS でクラウドサービスの事業者が管理していた物理的な機器に加え、OS やミドルウェアについてもクラウドサービスの事業者が管理します。ユーザーは開発環境以外の管理をしなくて済むため、より素早くアプリケーションの開発ができ、さらにコストも抑えることができるようになります。
SaaS (Software as a Service)
「サービスとしてのソフトウェア」と訳され、読み方は「サース」です。
先ほど例に挙げた Google の Gmail は、こちらに分類されます。SaaS では、PaaS でクラウドサービスの事業者が管理していた範囲に加えて、データやアプリケーション自体についても、クラウドサービスの事業者が管理します。そのため、使用するデバイスやソフトウェアに左右されず、どこでもどんな端末からでもサービスを使うことができます。アプリケーションの開発や保守をクラウドサービスの事業者が行うため、バグがすぐ修正されたり、新しい機能がどんどん追加されたりするという特徴があります。
クラウドのメリットとデメリット
クラウドを導入する前に、クラウドを利用するメリットとデメリットを把握しておきましょう。
メリット
クラウドを利用するメリットとして最も大きいのは、サーバーなどのインフラやメールソフトなどのソフトウェアを買う必要がないことです。ユーザーはそれらを買う必要はなく、使いたいときに使いたい分だけ使うことができます。そのため、物理的に物を買うよりも圧倒的に早くシステムを構築することができます。サーバーを買ってシステムを構築するとなると最低でも数ヶ月はかかりますが、クラウドでそのシステムを利用すれば数日からでも利用することができます。さらに、ユーザーが利用するサービスのバックグラウンドについては、クラウドサービスの提供事業者が管理を行うため、メンテナンスが不要になります。
クラウドサービスでは、月額必要や従量課金制で利用できるものが非常に多くなっています。そのため、利用していないシステムで無駄な費用がかからないようになります。使ってみたいサービスがあった時に、費用を最小限に抑えつつサービスを試すことができるので、いろんなサービスを比較することのハードルが低くなります。
デメリット
クラウドを利用するデメリットとして、まず挙げられるのはカスタマイズの難しさです。ユーザーが使えるのはクラウドサービスの事業者が設定した内容の範囲内となるため、自社の状況に合わせて自由な仕様にすることはできません。用意された環境の中でのカスタマイズとなります。
また、クラウドサービスの事業者側で何か障害があった場合には、サービスを利用することができなくなる場合があります。多くの場合は一時的なものですが、自社の都合ではないので思わぬタイミングでサービスが利用できなくなることがあります。
クラウド環境の導入
業務において、クラウドを導入して変化するポイントは 3 つあります。
- 業務のスピードを圧倒的に上げることができる
- サービス利用の費用を抑えることができる
- 場所や機器を選ばずサービスを利用できる
1. 業務のスピードを圧倒的に上げることができる
これまでサーバーを用意して、そのサーバーにソフトウェアをインストールして、ソフトウェアの設定をしてという流れで利用してきていたサービスが、ユーザー情報を登録するだけで使えるようになります。そのため、導入までのスピードが圧倒的に早くなります。
2. サービス利用の費用を抑えることができる
クラウドでは、サービスを利用したら利用した分だけの費用がかかります。そのため、使っていないユーザーいたり、サービスを利用しない期間があったりすれば、その分は費用を抑えることができます。買ったはいいけど結局使っていないといった状況を避けることができるようになります。
3. 場所や機器を選ばずサービスを利用できる
クラウドサービスを利用するために必要なものはインターネット通信です。利用するユーザーのデバイスやそのデバイスにインストールされているソフトウェアは関係ありません。そのため、インターネットに接続できればどこからでもサービスを利用することができます。
さて、これまでは言葉としてしか知らなかったクラウドのことがわかってきたでしょうか?クラウドの導入自体は簡単にできるものですので、どなたでもご利用になれるかと思われます。しかし、現在クラウドサービスは非常に数多く展開されており、すべてのクラウドサービスを把握することは難しくなっています。そのような状況の中、自社の環境に最適なクラウドサービスの選定するのは、クラウドに精通していない人にはハードルが高いのが現状です。また、導入した後もサービスの機能を十分に使うためには、慣れが必要なので少し時間がかかります。
Ederor (エデラー) では、大手企業でクラウドの導入に関わっているエンジニアの経験を使って、お客様の利用環境に合わせた最適なクラウド環境の導入をご案内させていただきます。不明な点などございましたら、いつでもお気軽にこちらからご相談ください。お待ちしております。