
この記事では、IT の国家資格である、ネットワークスペシャリストについて解説しています。名前を聞いたことがない人でもわかる内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- ネットワークスペシャリストとは
- ネットワークスペシャリストになるためには
- ネットワークスペシャリスト試験の勉強方法
- ネットワークスペシャリストの強み
- まとめ
ネットワークスペシャリストとは
ネットワークスペシャリストとは、ネットワーク関連の国家資格です。
独立行政法人の「情報処理推進機構」 (IPA) が主催している、「情報処理技術者試験」の区分の 1 つであるネットワークスペシャリスト試験に合格すれば取得できる資格です。
ネットワークスペシャリスト試験は、「情報処理技術者試験」の区分の中でも、レベル 4 と最難関の試験になっています。
毎年、1 万人以上の人が受験し、合格率は 15% ほどです。
ネットワークの資格ではありますが、近年ではセキュリティ意識の向上から、取得にはセキュリティに関する知識もある程度必要とされるようになってきています。
ネットワークは、ほとんどの IT 技術の基礎になる技術です。
そのため、ネットワークスペシャリストは、ネットワークに限らず、その知識を応用して、様々な分野についてお客様に最適な提案をすることができます。
ネットワークスペシャリストになるためには
ネットワークスペシャリストになるためには、ネットワークスペシャリスト試験に合格しないといけません。
ネットワークスペシャリスト試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの 4 つの試験に分かれていて、ネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、その 4 つ全てに合格しないといけません。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 9:30 〜 10:20 (50 分) | 10:50 〜 11:30 (40 分) | 12:30 〜 14:00 (90 分) | 14:30 〜 16:30 (120 分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) | 多肢選択式 (四肢択一) | 記述式 | 記述式 |
出題数 回答数 | 出題 : 30 問 回答数 : 30問 | 出題 : 25 問 回答数 : 25 問 | 出題 : 3 問 回答数 : 2 問 | 出題 : 2 問 回答数 : 1 問 |
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験は、同日に行われる他のレベル 4 の試験と共通の試験となります。
幅広い IT の基礎知識が問われる問題が出題されます。
ネットワークとは関係ない問題も出題されるため、事前の対策が重要になってきます。
条件次第で免除にすることができます。
午前Ⅱ
午前Ⅰ試験よりも深掘りしたネットワークの問題が出題されます。
午前Ⅰ試験で基礎的な知識を広く浅く出題されるのに対して、午前Ⅱ試験ではより専門的な問題が出題されます。
午後Ⅰ
長文を読んだうえでの記述問題です。
時間の割に設問数が多く、問題の内容を素早く理解して解答する必要があります。
記述の試験なので部分点があり、要点を捉えていれば部分点でしっかりと点を積み上げることができます。
3 問出題のうち 2 問を選んで解答するため、苦手な分野がある場合は避けることができます。
午後Ⅱ
午後Ⅱ試験も長文問題です。
午後Ⅰ試験よりもさらに長い文章題が出題されます。
こちらは 2 問出題のうち 1 問を選ぶ形式です。
試験時間は 2 時間と非常に長く、1 日の最後の試験なので集中力との戦いになります。
ネットワークスペシャリスト試験の勉強方法
ネットワークスペシャリスト試験の勉強では、いかに基本的な部分をちゃんと理解しているかが、とても重要になります。
午前の試験対策になるのはもちろんですが、午後の記述試験でも基本的な知識が非常に役に立ちます。
午後の試験は記述試験なので、完璧な回答を作るのはなかなか難しいですが、ネットワークの基本的なことを理解していれば、部分点をしっかりもらえるような回答を作ることができます。
ネットワークスペシャリスト試験では、突拍子も無いような難しい問題は出ません。
どの問題も基本的な知識を組み合わせて答えを導き出せるようになっています。
なので、基本的な知識をいかに理解して説明できるようになっておくかが非常に重要になります。
また、午後の記述問題を解くための記述力も重要になってきます。
限られた文字数の中で、相手に正確に情報を伝える練習をしておきましょう。
ネットワークスペシャリストの強み
ネットワークスペシャリストになることで、仕事に生かせる強みがいくつかあります。
システム全体を見渡す視野が身につく
ネットワークは全ての IT 技術の基礎になる技術です。
ネットワークスペシャリストの勉強をする中で、どういう原理でネットワークの通信が処理されているかを具体的に理解できるようになります。
そうすると、ネットワーク以外の技術についても基礎的な背景を理解したうえで取り組めるようになり、視野の広い設計や構築を行えるようになります。
希少なネットワークエンジニア
ネットワークをきちんと理解しているエンジニアは、サーバーやアプリなどの分野では意外と希少です。
ネットワークスペシャリストの資格を持っていれば、他の人との差別化ができて、エンジニアとしての価値を上げることができます。
資格の更新がいらない
ネットワークスペシャリストは、国家資格です。
そのため、CCNA などの有名なネットワーク系の民間資格とは違い、一度取ってしまえば更新がいりません。
一生名乗れる資格として、取得するのもアリかと思います。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?
ネットワークスペシャリストがどんな資格が、ご理解いただけたかと思います。
ネットワークスペシャリスト試験は、決して簡単な試験ではありません。
しかし、その分取得できれば、強力な武器になる資格ですので、ぜひ勉強して資格の取得を目指してみてください。