
IP アドレスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
最近ではドラマなどでも耳にすることがある言葉ですが、実際になんのことなのか説明できる方は少ないと思います。
この記事では、誰でも IP アドレスの概要がわかるように説明していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- IP アドレスとは
- IP アドレスの使われ方
- IP アドレスのバージョン
- まとめ
IP アドレスとは
IP アドレスとは、ネットワークに接続されたデバイスが通信するために必要な番号のことです。
たとえば、A と B というデバイスは、それぞれ IP アドレス A と IP アドレス B を持っているとします。
この時、デバイス A からデバイス B にファイルを送ろうと思ったら、デバイス A は IP アドレス A から IP アドレス B に向けてファイルを送るという動作をします。
これだけ言われてもイメージがしづらいと思います。
急にネットワークの世界の話をしても分からないと思うので、リアルな世界に置き換えて考えてみましょう。
リアルな世界に置き換えた時、デバイスは家に置き換えられます。
そして、ファイルは手紙で、IP アドレスは住所です。
A さんが B さんに手紙を送る時、手紙には宛先に B さんの家の住所を書いて、送り元は A さんの家の住所を書くと思います。
この時、住所はその人の家がリアルの世界でどこにあるのかを表しています。
東京都新宿区XX-X-X-X のように住所が決まっていれば、相手がどこにいるのかがわかります。
同じように、IP アドレスもネットワークの世界でそのデバイスがどこにあるのかを表しています。
IP アドレスが決まっていれば、そのアドレス宛に通信を行えるようになり、デバイス同士で通信をし合うことができるようになります。
IP アドレスの使われ方
IP アドレスは様々な場所で使われています。
この記事を見ているのが、パソコンでもスマートフォンでも、そのデバイスは必ず IP アドレスを持っています。
自分で設定していなくても勝手に設定されていて、通信ができるようになっています。
例えば、Ederor (エデラー) の HP を見ようとした時に、「Ederor」と検索したとします。
そして、検索結果に出てきたページにアクセスしようとすると、裏で Ederor の HP の IP アドレスをデバイスが調べます。
IP アドレスが判明すると、デバイスに割り当てられた IP アドレスから、Ederor の HP の IP アドレスへ通信を行い、情報をもらって HP の内容をデバイスに表示するという動作をしています。
このように、使い手が全く意識していないところで IP アドレスは活躍しています。
これは、何も HP を表示するときだけではありません。
スマートフォンでオンラインゲームをするときにも使われていますし、YouTube のアプリで動画を見るときにも使われています。
IP アドレスのバージョン
IP アドレスには、バージョンがあります。
現在、主流で使われている IPv4 (IP バージョン 4) と最近、耳にすることが増えてきた IPv6 (IP バージョン 6) です。
パソコンやスマートフォンなどのデバイスでは、”0″ と “1” を組み合わせて様々な処理を行っています。
たとえば、「11000000101010000110010000000001…」というような情報を使っており、このような、”0″ と “1” を使った数字表記を 2 進数といいます。
コンピュータはこの 2 進数の組み合わせによって情報の処理方法を決定します。
IP アドレスもデバイスの通信に使うものですので、”0″ と “1” で表すことができます。
IPv4 と IPv6 の一番の違いは、この “0” と “1” を使って表す IP アドレスの桁数が違うことです。
IPv4 では、32 桁の “0” と “1” を使って IP アドレスを表現しています。
そのため、表現できる IP アドレスの数は、約 43 億個となります。
インターネットがあまり普及していなかった時代には、この約 43 億個の IP アドレスで十分通信が行えました。
しかし、スマートフォンの普及などに伴い、十分あると思われていた IP アドレスが、だんだん枯渇するようになってきました。
IP アドレスはネットワークの世界の住所ですので、他の人と被ってはいけません。
そのため、IP アドレスが足りなくなると、通信ができない人が出てきてしまいます。
そこで最近、使われるようになってきたのが IPv6 です。
IPv6 では、128 桁の “0” と “1” を使って IP アドレスを表現しています。
表現できる IP アドレスの数は、約 340 澗 (かん。億 × 億 × 億 × 億 よりも大きい数字です。) 個となります。
地球の全人口が、1 人ずつ 1 兆個の IP アドレスを使ったとしても、まだ余ります。
IoT の発展などにより、より多くのデバイスがインターネットにアクセスするようになれば、ますます IPv6 が使われるようになります。
まとめ
IP アドレスは、ネットワーク技術の基礎中の基礎です。
どんなエンジニアになるにせよ、最低限知っておきたい知識ですね。
エンジニア以外の方でも、これから IP アドレスと聞いたら、ネットワークの住所なんだなとイメージできるようになったかと思います。
今回は IP アドレスの概要について説明しましたが、実際の通信の流れや、IP アドレスの使い方についても、また機会があれば説明したいと思います。