
ドメインという言葉自体は、あまり聞きなれていない言葉かもしれません。
しかし、web ページを見る時には、気づかないうちに使っているのが、ドメインです。
この記事では、具体例も使ってドメインの説明をしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- ドメインとは
- ドメインの種類
- 独自ドメインとは
- まとめ
ドメインとは
ドメインとは、一言で言うとネットワーク上の住所のことです。
住所と聞いて、あれ?と思った方もいるかもしれません。
そうです、前回の「これがわからないとエンジニアにはなれないシリーズ。IP アドレスとは?」でも、IP アドレスは住所ですとお伝えしました。
IP アドレスも住所で、ドメインも住所ということは同じものなのか、と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は、その考えは少しだけ間違っています。
IP アドレスとドメインは、同じ場所を指し示す情報ではあるのですが、同じものではありません。
どういうことかというと、それぞれ現実世界のものに置き換えた時に、IP アドレスは座標でドメインは住所を表しています。
前回はわかりやすいように IP アドレスを住所と紹介しましたが、正確には北緯 35 度 東経 139 度というように、ある地点を指し示す座標の情報が IP アドレスです。
そして、ドメインは「東京都渋谷区恵比寿一丁目…」のような実際の住所を表しています。
同じものだと思われるかもしれませんが、使われ方が違います。
例えば、急に「北緯 43 度 東経 141 度で待ち合わせましょう!」と言われたらどうでしょう?
おそらく、「北緯?え?何度ってなに?」と、どこで待ち合わせなのか全くイメージがつかないかと思います。
一方で、「北海道札幌市中央区北1条西2丁目で待ち合わせましょう!」と言われたらどうでしょうか?
「急に北海道と言われても…」と思うことはあるかもしれませんが、なんとなく北海道の札幌に向かわないといけないんだなと、イメージができるかと思います。
ネットワークの世界でも同じです。
IP アドレスは「172.217.25.206」のように表記されるため、人が見ても何のサービスの住所なのかわかりません。
ドメインでは、「google.com」のように表記されるため、人が見て何のサービスなのか理解することができます。
このようにドメインを使うことで、ネットワークを人が理解できる形にすることができます。
ドメインには色々な種類がありますが、有名なものだと Google 社の「google.com」や「gmail.com」、日本国首相官邸の「kantei.go.jp」などがあります。
ドメインの種類
先ほど、例としてあげたドメインを見ていただくと「.com」で終わっているものと「.jp」で終わっているものがあります。
このドメインの「.」で区切られた一番後ろの部分をトップレベルドメイン (TLD) と呼びます。
TLD は用途や分野を表す gTLD (generic TLD) と国や地域を表している ccTLD (country code TLD) の 2 つに分けられます。
gTLD (generic TLD)
gTLD は、利用者の住んでいる地域に関係なく誰でも取得できるトップレベルドメインです。
サービスの内容に近い名前のドメインを取得できるので、利用者にわかりやすい表示をすることができます。
代表的な gTLD を紹介します。
.com | commercial の略で世界で一番登録数の多いドメインです。商用で使われることが多いです。 |
.net | ネットワーク関連の情報を扱っている媒体で使用されることが多いドメインです。 |
.org | 非営利団体を表すドメインです。 |
.info | 応報提供しているブログなどで利用されることもあるドメインです。 |
ccTLD (country code TLD)
国ごと・地域ごとに割り当てられたドメインです。
基本的には、その国や地域に住んでいる人でないと取得できません。
代表的な ccTLD を紹介します。
.jp | 日本の ccTLD |
.us | アメリカの ccTLD |
.gb | イギリスの ccTLD |
.cn | 中国の ccTLD |
独自ドメインとは
独自ドメインというのは、自分で名前をつけて、自分で取得できるドメインのことです。
ドメインは住所のことなので、世界中で同じ名前のものは 1 つしかありません。
例えば「ederor.com」は私たちが取得したドメインで、同じ名前のドメインは他にはありません。
この「ederor. com」のように自分たちで使いたい名前をつけたドメインのことを独自ドメインと呼びます。
独自ドメインは、レジストラと呼ばれる業者に申し込みをすることで取得できます。
独自ドメインには、いくつかのメリットがあります。
SEO で有利になる
独自ドメインを利用している場合は、SEO で有利になる場合が多いです。
独自ドメインを使わずに、どこかのサービスでブログを立ち上げようとすると、自分のサイト名の後ろにブログを立てるサービスのドメインがくっついて、ドメインになることが多いです。
例えば、fc2 を使ってブログを作ろうとすると、「xxx.blog.fc2.com」というドメインになります。
もし、大元になるサービスのドメインが制限を受けた場合には、自分のブログも合わせて制限を受けることになります。
独自ドメインを取得しておけば、そのような心配はなくなります。
専用のメールアドレスを使える
どちらかというと個人よりも法人などの団体向けに嬉しい内容かもしれません。
独自ドメインを取得することで、「xxx@独自ドメイン」という名前のメールアドレスを取得することができます。
仕事上でやり取りをする時に、独自ドメインのメールアドレスを使っていると、相手から覚えてもらいやすくなりますし、ちゃんとドメインの取得をしているという部分で信用を得られるようになります。
まとめ
ドメインも IP アドレスと同じように、ネットワーク技術の基礎中の基礎技術です。
普段、特に意識することなく URL をクリックして web ページを見ていたかと思いますが、これからは URL を見るたびに、どういうドメインを使っているのか意識して見てみると面白いかもしれません。
さて、前回と今回で IP アドレスとドメインの話をしてきました。
簡単にまとめると IP アドレスはデバイス用の情報で、ドメインは人が分かりやすくなるための IP アドレスの名前でした。
つまり、ドメインを使って通信をする時には、そのドメインと IP アドレスとの紐付けを考える必要があります。
次回は、その紐付けの仕組みである DNS について解説します。
DNS を理解することでどのようにして web ページが表示されているかの仕組みを、より理解できるようになるかと思いますので、ぜひお楽しみにしていてください。