
ここでは、最近IT業界でよく話題にあがるようになった、DX(デジタルトランスフォーメーション)について解説していきます。
この言葉だけではどういったものなのか、なかなか想像が付かないものだと思いますので、重要性やその必要性についてもご説明します。
- DXとは?
- DXの重要性
- DXを実現するメリット
- DXの今後について
DXとは?
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、最近よく使われるようになってきました。
この言葉は、社会的に広い意味で使われており、デジタル技術を世の中に浸透させることで、人々の生活に革新をもたらし、豊かにするという意味合いで使われています。
この言葉と似たような言葉で、デジタライゼーションという言葉がありますが、これは局所的な意味で使われます。
例えば、会社内の事務作業を効率化するためにシステムを導入して、紙を使っていた業務から、テクノロジーを利用してペーパーレスへ移行した場合はこちらのデジタライゼーションの意味合いと合致します。
これは、デジタライゼーションという言葉がある特定の部位や会社、環境をデジタル化することを示すのに対し、DXは社会全体に影響を及ぼすような大きな革新のことを示すからです。
このDXは、「デジタルなテクノロジーを駆使して、社会全体に変革をもたらし、人々の生活を効率化することや豊かにすること」と言えます。
しかし、この言葉が誕生した2004年時は上記の意味あいで使われていましたが、最近では文脈によってこのDXの定義が異なります。
最近では企業単位でこの言葉を用いる時、ITを活用してビジネスや組織を変革するという意味合いで使われることが多いです。
DXという言葉がまだ世の中的には浸透しているとは言えない言葉ですので、前後の文脈から、社会的な意味で使われているのか、それとも企業単位で使われているのかということをしっかりと見極められるようにしましょう。
DXの重要性
ここではDXとは、というところをより具体的に示した上で、その重要性についてご説明いたします。
社会的な意味のDXの例として、今まで多くのデジタルテクノロジーが開発され、それがDXを実現してきました。例えば、音楽や写真についてもこのDXが実現された例として取り上げることができます。
音楽の場合、デジタル技術の普及以前は、楽器での演奏や現地で音楽を聞く、もしくはレコードに録音して聞くというのが社会的に当たり前でした。
しかし、CDの誕生やデジタル音楽プレイヤーの登場により、今まで使われてきたレコードなどは使われなくなり、デジタル機器への移行がなされました。
これは、写真の場合も同様に、従来はアナログ的に保存されてきたものが、デジタルカメラの普及によりデータで写真を扱う人がほとんどとなりました。
こういった実例から、今後も技術革新による、その後の社会全体のDXの実現が見込まれます。
この他にも、キャッシュレス払いの普及もDXに当てはまります。日本ではATMが高度に普及しているため、現金を手軽に用意することができます。
その利便性の良さから、他の諸外国と比べるとキャッシュレスへの移行が遅れるという問題が取り沙汰されるまでに至りました。
実際問題として、キャッシュレスの移行に伴い、ATMの維持費は高いため、ATMを減らす動きも見受けられます。しかし、未だに多くの日本人はATMを多く利用しています。
これは日本全体として、キャッシュレスへのDXが遅れていることを示しています。
その分の国内の人員リソースや、費用が未だにこの問題の解決に当てられおり、こうした積み重ねが社会全体のDXを遅らせる原因にもなり得ます。
また、企業単位に置いてもDXの重要性は高まってきています。未だに判子文化が書類の電子化を阻害している日本ですが、ペーパーレスへの移行が進んでいない企業や地方自治体も多くあります。
国際競争力が年々衰えている日本ですので、DXを導入し、速やかに経営改善を行うことが各企業に求められています。
DXを実現することのメリット
ここまで、DXについてご説明してきました。
ここでは、実際にDXを実現することのメリットについてご説明いたします。DXの波に乗ることは、企業自体の経営の優位性を獲得することに繋がります。
そのため、優位性獲得とDXのメリットを享受するためにも変化に対応することが求められます。企業がこのDXを実現することのメリットとしては以下があげられます。
- 業務の生産性が上がる
- 社会の変化への対応が新しいビジネスモデルの形成に繋がる
- 市場の変化への対応性が上がる
DXを企業単位で進めることのメリットとしてまず、業務の生産性が上がることが挙げられます。これは、今まで人が行っていた、もしくはアナログで行っていた業務をデジタルの力を使うことで効率化することを示します。
これは皆さんも想像しやすいかと思いますが、資料のペーパーレス化がいい例です。
紙ベースで処理していたものを電子化することにより、資料の共有と編集・保存にかかる時間が大幅に削減されました。
また、今までのビジネスモデルをデジタルの力を用いて変革することで、社会の変化へも対応できるようになります。
近年、デジタル化が進み、ビジネスのスピードが加速化しました。DXに力を入れることによりコア業務へ集中できるようになったため、市場への対応速度が早まるようになど、DXを導入するメリットは様々です。
DXの今後について
社会全体が新たなテクノロジーを認め、それと寄り添う選択をしない限り、社会的にDXを実現することはあり得ません。
AIやVRといった技術的には既にあるものの、まだまだ一般的に導入企業が少ないのが現状です。
こういった技術についても今後はDXの一環として、導入されることがあるかもしれません。
DXは社会が新しい技術を受け入れていくことにより、実現していきます。技術を多くの人々が受け入れ、有効活用することで自然とDXは加速化します。
DXの動向を把握するために、まずは技術的なトレンドを把握した上で、現状の社会的な導入状態を見てはいかがでしょうか。