
皆さんはバックアップを常日頃から取っているでしょうか?
今回はバックアップの基本的な考え方や、バックアップの手法について解説していきます。
- バックアップとは?
- バックアップの世代管理とは?
- バックアップの運用
- バックアップの重要性
バックアップとは?
バックアップとは、情報資産を喪失しないためにそのコピーを取って保存しておくことをいいます。
さて、ここで皆さんに再度認識を強めて欲しいことがあります。それは、「失ったデータは戻らない」ということです。
これは多少強い言い回しかもしれませんが、事実です。残念ながら、一度失ってしまったデータは取り戻すことができません。
もちろん、データを削除してしまっても、元々バックアップを取っていた場合や、ゴミ箱機能などの一時的なデータ退避機能を利用している場合を除きますが、原則として失われたデータが戻ってくることはありません。
最近では、クラウドスストレージサービスの普及やゴミ箱昨日の標準化が進んでいるため、いきなりデータを消すということは少なくなってきてはいますが、失ったデータが戻ってこないことには変わりありません。
最悪の自体に陥らないためにも、大切なデータだけでもいいので、定期的なバックアップを行うようにしましょう。
バックアップの世代管理とは?
バックアップを取る上で、大切な考え方になってくるのが世代管理と、バックアップの取り方です。
世代管理というのは、簡単に言うとどれくらい前までのバックアップを保持するかを決めることをいいます。
例えば、毎日バックアップを取っている方の場合、14世代バックアップを管理していると言うと14日分のバックアップを持っていることを示します。
これは、2週間前まではバックアップ時の状態にデータを戻せることを言い、バックアップを管理することを世代管理と言います。
この場合、14世代より前のバックアップは保持せず、古いものは削除していきます。
古いバックアップを削除していく理由としては、バックアップストレージの要領確保が挙げられます。
個人規模のシステムではデータ量は少なく、バックアップにもあまり時間はかからないため、バックアップを多めに取得することもできます。
しかし、企業レベルのシステムとなると、データ量は多くバックアップにかかる時間も膨大になります。
そのため、企業ではバックアップの世代管理を行い、予算やストレージの容量に見合った適切なバックアップの取得・世代管理を行います。
バックアップの世代管理をすることは、システムを運用する上で重要であり、ただバックアップを取るだけでなく、障害が発生した際にそこからいかに早く戻せるかということも重要になります。
バックアップの取得方法
バックアップの取得方法には、フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップという種類のバックアップ方法があります。
フルバックアップはその名の通り、データ全体のバックアップを行います。フルバックアップは、全てのデータを取るため、バックアップの都度、データ全体の容量分だけディスクの容量を必要とします。
また、全てのデータを取るため、必然的にバックアップ終了までに時間がかかります。
次に差分バックアップですが、フルバックアップした日を「基準」として、フルバックアップを最後に取った日から増えたデータ分のバックアップを取得します。
差分バックアップでは、フルバックアップがある状態で、それ以後のデータを取るのでフルバックアップを毎回行うよりも効率的にデータのバックアップができ、バックアップ時間がフルバックアップに比べると少ないのが特徴です。
最後に、増分バックアップでは、フルバックアップを日から、毎回増えた分だけバックアップを取得していきます。増分バックアップの場合は、フルバックアップを基準とせず、一つ前のバックアップから増えた分だけのデータを取得するため、差分バックアップよりもバックアップ時間が短いのが特徴です。
バックアップの重要性
ここまで、バックアップについて解説させていただきました。
バックアップを行うことは、情報資産を守る行為そのものです。近年では、サイバー攻撃により、データを奪われて身代金を要求されるといったような事件も起っています。
また、システム・ハードウェアの不具合や障害発生によるデータ損失が起こらない可能性はゼロではありません。
バックアップ意外にもデータを守る技術として、ハードディスクを冗長化させたり、システム自体を冗長化させるといった方法もあります。
元々バックアップの目的は、データの損失を出さないことももちろんですが、システムへの障害をいかに少なくして、元の状態に戻すかということが大切になります。
皆さんが個人でスマートフォンやパソコンのバックアップを取る際も、是非、このような考え方を大切にしてみて下さい。