
今回はSMBについて解説していきたいと思います。
SMBはファイル共有やプリンターの共有でよく使われる、Microsoft社独自の通信プロトコルです。
SMBの知識を持っておくと、ファイル共有を行いたい場合やプリンターの設定時に役立つことがあるので是非覚えてみてください。
- SMBとは
- SMBが活躍する場所
- SMBの種類
- まとめ
SMBとは
SMBは「Server Message Block」の略称で、主にWindowsを用いた環境で利用されます。
Windowsネットワークで利用されるプロトコルであるため、Windowsの環境で仕事をしている人は利用することが多いプロトコルですが、知らないで使っている人も多いのではないでしょうか。
ファイル共有する際はユーザー名とパスワードによるアクセス制御が可能で、アクセス権の無いユーザはファイル自体にアクセスすることができません。
このように、同一組織内のユーザーであっても適切なアクセス権を持ったユーザーのみにファイルを参照させることができます。
基本的に、SMBはWindows ServerとPC用のWindows OSに標準搭載されていますが、LinuxやMacでもSMBクライアントの機能を追加して利用することができます。
また、Windows以外のOSについてもSMBサーバーとしての機能を果たすために、「Samba」というオープンソースソフトウェアが存在します。
これをインストールすることで、LinuxOS等でもWindowsのようなファイル共有・ファイルサーバーとしての利用が可能となります。
SMBが活躍する場所
ここでは、SMBが利用されている場所について説明したいと思います。
世界的に、企業ではWindowsPCを使っている場合が多く、PCでのWindowsのシェア率は7割以上です。
こうした中で、企業のWindowsネットワークのなかで最も利用されているのがファイル共有のための通信です。
業務を行う場合、ファイルサーバーを導入している企業は数多く存在し、ファイルサーバーがファイル共有を行うことにより、各ユーザーはPCにファイルを保存することなく作業を行うことができます。
こうした際に、通信レベルでユーザーが意識することはないと思いますが、実際に利用されているのがSMBです。
この他にも、プリンターで印刷を行う際もSMBは利用されています。
こう言うと、MacやLinuxを業務で使っている方はファイルサーバーを使えないのではと思うかもしれませんが、他のOSを利用する場合であってもSMBクライアントの機能を有効化することにより、ファイルサーバーを利用することができます。
システムを利用する側のユーザーレベルではこうしたことを確認する機会は少ないとは思いますが、もしファイルサーバーやプリンターを利用する際は意識して利用してみてください。
SMBの種類
SMBには種類があり、2000年初期以降では大まかに下記の表にある種類にわけて分類されています。
数値の大きいものほどバージョンが新しく、高性能になっています。
昔からSMBは利用されてきましたが、万全なものではないのでアップデートが繰り返されてきました。
今回は詳しい説明はしませんが、バージョンが新しくなるごとに、容量の大きいファイルを安定的に送信できるようになり、転送速度も高速化しています。
また、セキュリティ面においても暗号化の方法が改善されたりと、多方面での改善がみられています。
種類 | 搭載サーバーOS | 搭載クライアントOS |
SMB1.0 | Windows 2000 Windows Server 2003 Windows Server 2003R2 | Windows XP |
SMB2.0 | Windows Server2008 | Windows Vista |
SMB2.1 | Windows Server 2008R2 | Windows 7 |
SMB3.0 | Windows Server 2012 | Windows 8 |
SMB3.0.2 | Windows Server 2012R2 | Windows 8.1 |
SMB3.1.1 | Windows Server 2016 Windows Server 2019 | Windows 10 |
まとめ
SMBはファイル共有をする場合や、プリンターを利用する際に主に利用するとご案内してきました。
IT機器を利用するユーザー側の立場では、あまりSMB等のプロトコルレベルまで意識して利用する機会は少ないとは思いますが、Webでいうhttpやhttpsなど、IT機器を利用している方は知らず知らずのうちにプロトコルを利用しています。
SMBはファイルの「転送」や「共有」に使いますが、このほかにもメールの送受信に利用するためのプロプロトコルや、対象のコンピュータと疎通確認を行うものなど、様々なプロトコルが存在します。
プロトコルはコンピュータ間での通信の決まり事・約束事ですので、ここが原因でトラブルや問題が発生することが多いので、まずはプロトコルというものが存在するくらいの意識で意識的にコンピュータを利用してみてはいかがでしょうか。